菰田総合司法書士法人

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会社を設立するときの本店はどのように記載するの?

2022.09.28

今回は、よくご相談いただく会社を設立するときの本店はどのように記載するのかいうことについて触れてみたいと思います。

1.定款に定める本店所在地

会社を設立する際には、定款を作成する必要があります。
定款には、絶対的記載事項という、必ず記載が求められるものがあります。
絶対的記載事項のひとつに「本店所在地」があります。
会社の住所に当たるものですが、代表者のご自宅やマンションの一室でも問題ありません。

定款に定める本店所在地は、市区町村などの最小行政区画までの記載で問題ありません。
例えば、「当会社は本店を福岡県福岡市に置く。」といった具合に、番地や住居番号まで含む必要はなく、最小行政区画まで記載することで足ります。
 
定款に定める本店所在地

 

2.登記には本店所在場所を記載

しかし、登記申請書には「本店所在場所」を記載しなければなりません。
本店所在場所とは、具体的な本店の住所である必要がありますので、「○○丁目、○○番、○○号」まで含めた記載が必要です。
なお、最小行政区画は基本的に市町村ですが、例外的に東京23区があります。

 

– 一般的な本店所在地登録

一般的に、定款には最小行政区画まで記載する会社が多いと思われます。
なぜなら、「202号室から201号室へ本店を移転する」といったように、マンションの部屋を移動するなど、同じ最小行政区画内で本店を移転する際に、わざわざ株主総会を開催して定款変更の決議をする必要がないからです。
この場合、取締役会非設置会社の場合は取締役の決定で、取締役会設置会社の場合は取締役会の決議で足りることになります。

 

– 登記に建物名や部屋番号は必要?

これからマンションやビルのテナントを借りて事業を始め、会社を設立する場合、マンション名などの建物の名称や部屋番号を記載する必要があるのでしょうか?
一般的な本店所在地登録
登記申請書に記載する本店所在場所は、「丁目・番・号」以降ビル名や部屋番号は省略することができます。
これらを記載するかどうかは会社側が決めることになります。
代表取締役の住所も登記簿に記載されることになりますが、これについても同様です。

会社の登記簿は公開されているので誰でも取得することができるものです。
例えば、代表取締役が自分の住んでいる自宅住所を本店にする場合、プライバシーの観点から、自分の住所が特定されないようにマンション名や部屋番号を省略したいとお考えになるケースもあります。

また、マンション名や部屋番号を省略した場合、同じマンション内で引っ越しをしたり、建物の名称が変わった場合に、登記申請しなくて良いというメリットもあります。
本店移転登記には3万円の登録免許税がかかりますので、コストを削減することができます。
判断基準の一つとして、郵便物が届くか否かで検討されると良いでしょう。
マンション名やビル名は省略していても、番地まで記載していれば建物は特定できるはずなので、ポストから会社名が判別できれば郵便物は届くでしょう。

 

3.最後に

最後になりますが、これからご自宅のマンションなどを会社の本店として検討されている場合、規約や賃貸借契約の内容によっては登記できない可能性がありますので、あらかじめ確認をとっておくのがお勧めです。

 
 

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