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未成年者がいる場合の遺産分割協議のポイント

2023.11.14

1.はじめに

民法では、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するとされています。
被相続人の相続財産の中に不動産が含まれている場合、その所有権も相続され、相続登記をする必要が生じます。

相続人の中に未成年者が含まれている場合、未成年者も被相続人の財産に関する権利義務を承継しますので、被相続人の財産を相続することになります。
不動産の登記名義人に未成年者がなることも問題ありません。

令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。
そこで今回は、相続人の中に未成年者が含まれている場合の相続登記について概説します。

2.未成年者とは

民法第4条では、次のように定められています。

年齢18歳をもって、成年とする。

未成年者とは、18歳未満の者とされています。
従前は、20歳でしたが、法改正により18歳に引き下げられました。

3.遺産分割

遺産分割協議書と署名押印した相続人の印鑑証明書の添付が必要相続が開始すると、相続財産は相続人が法定相続分に応じて共有します。
この遺産を共有した状態から、相続人の話し合いによってどのように遺産を取得するのかを決めることを遺産分割協議といいます。

例えば、相続人が配偶者と未成年の子である場合に、配偶者が被相続人名義の不動産を相続したい場合、親権者である配偶者が未成年の子に代わって遺産分割協議をすることができません。
なぜなら、これは利益相反行為に該当するからです。
利益相反とは、親権者の行為によって、親権者の利益となるが、子の不利益となるようなケースのことです。

未成年者が契約の締結などの法律行為を行う場合、親権者又は未成年後見人が法定代理人として未成年者に代わって行うのが原則です。
遺産分割協議も法律行為ですから、親権者が未成年者に代わって行うことができますが、親権者と未成年者の間で利益相反行為となる場合、親権者は未成年者の法定代理人として遺産分割協議を行うことができないのです。

そのため、遺産分割協議が利益相反行為に該当する場合、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立て、家庭裁判所に選任された特別代理人が未成年者の代理人として遺産分割協議を行うことになります。

4.遺言、法定相続

遺言が残されている場合において、その遺言によって未成年者である子に相続させる旨が記載されている場合、この遺言によって被相続人名義の不動産を子の名義とする相続登記をすることになりますが、この場合は親が子の代理人として相続登記を行うことができます。
また、親と子が法定相続分に応じた相続登記は相続人の一人から申請することができます。

5.最後に

いかがでしたでしょうか?今回は未成年者が相続人に含まれている場合の相続登記についてポイントをご紹介しました。
ご参考になれば幸いです。

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