菰田総合司法書士法人

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合同会社の定款自治とは?

2023.07.11

1.はじめに

花田司法書士会社設立をご検討されている方の中には、株式会社だけでなく、合同会社の設立を視野に入れている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

合同会社は、株式会社と違い、定款で自由に定めることができる項目が多く存在します。
会社法では、その条文中に、「定款で別段の定めをすることを妨げない」などと書かれています。

株式会社より広い定款自治が認められているため、会社法の原則とは異なった定めを多く取り入れることができます。

 
 

2.定款で自由に定めることができる項目

●絶対的記載事項

会社法の規定により、定款に必ず定めなければならない事項を絶対的記載事項と呼びます。

 

●商号

同一の本店所在地で同一の商号を使用することはできず、不正な目的での類似商号も制限されているなど、一定のルールが存在します。
また、商号には「合同会社」という文字を入れなければなりません。

 

●目的

取引の安全を確保するため、事業内容を具体的に記載します。
将来行う予定の事業も記載することが可能です。

 

●本店所在地

オフィスや店舗の住所など、会社を登記する際の住所を記載します。
登記上は代表者の自宅住所を本店所在地とすることも可能です。

 

●社員の氏名住所

合同会社の出資者を社員と呼びます。
合同会社では、株式に関する事項ではなく、社員の住所氏名などの情報を記載する必要があります。

 

●社員を有限責任社員とする旨

有限責任社員とは、出資額の範囲でのみ責任を負う社員を意味します。
これに対し、無限責任社員は、出資額を超えた場合でも責任を取る必要があります。

 

●社員の出資の目的とその価額など

合同会社に出資する財産は金銭である必要はありません。
不動産や株式などの有価証券を出資の目的とすることが可能です。

 

●相対的記載事項

定款に別段を定めとすることができる事項は、次のものが含まれます。

持分の譲渡

原則として、持分の全部又は一部を譲渡するときは、原則として他の社員全員の承諾が必要とされています。
また、業務を執行しない社員が持分を譲渡するときは、業務執行社員の全員の承諾で足りるとされています。
この承諾につき、特定の社員のみの承諾で譲渡できるようにするなど、定款で会社の実情に合わせて定めることができます。

業務の執行

合同会社の社員は、原則として全員が業務を執行します。
ですが、定款に業務執行社員を定め、経営に関わらない社員を定めることも可能です。
業務執行社員が2名以上の場合は、その過半数により、会社の業務を決定しますが、これについても定款で別段の定めをすることで、重要なことには全員の同意が必要としたり、スピードが重視されることには過半数での決定としたり、柔軟に設計することが可能です。

 

3.最後に

定款で別段の定めをすることができる事項には、その他にも、「業務執行社員の解任」や「競業の禁止」、「任意退社」、「利益相反の制限」など、様々なものが広く認められます。
合同会社の設立の際は、定款による別段の定めも実情に合わせてご活用下さい。

 

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